昔の話、猫の話

ちょいと昔のことを思い出しました。
小雨が降る中、夜中の12時すぎくらいに家に帰ろうとしたときの話です。
いつも通り、自転車置き場にチャリを止めようとしたとき
にゃぁ、と猫の鳴く声が聞こえました。
あたりを見回すと一匹の猫がいました。
わざわざ鳴いて自分を知らせる猫を少し不思議に思いました。
俺は、猫のそばに行こうと思い、近づくのですが、
猫は離れていきます。
少し追いかけて道路まで出たんですが、見失いました。
そこでふと、猫のか細い鳴き声が聞こえました。
道路の真ん中に横たわるもの
近づいてみると、先ほどいた猫とは違う猫が血を流していました。
車に轢かれてしまったんだとすぐわかりました。
歩くこともままならぬようで、
道に血を流して、ただ弱く鳴いていました。
俺はすぐに道の真ん中からわきに抱いて行きました。
歩道に横たえて、軽く頭をなでました。
やはり、動くことはできないようです。
道路の反対側を見たとき、
先ほどの消えた猫がこちらを見ていました。
あぁ、そういうことか。
あの猫は俺に知らせたのか、仲間が、もしくは恋人が
動けないのを助けたくて、俺を呼んだのか。
俺は、しばらく、怪我をした猫のそばにいました。
真夜中では獣医もやっていない。
なにもできない。
俺はただそばにいました。
俺を呼んだ猫は近づいてこようとしないので、
俺は部屋に戻ることにしました。
そうすれば、怪我をした猫のそばに行くだろうと思い。
次の日、
猫はいませんでした。
ニ匹とも。
血の跡も雨が洗い流したようです。
どこに行ったのだろう・・・
 
久しぶりに、昔書いていた方の日記を見ました
そこに書いた話です